おじさん // cool gentleman

陽気なおじさん達が
生み出すMVの世界

自身「陽気なおじさん」が出演するミュージックビデオには、以前から絶大な信頼を寄せている。なぜならば、これまでの経験則から “かっこいい楽曲” と出会う確立が極めて高いからだ。

ミュージックビデオをみているうちに、気付いたらおじさんたちの魅力に取り憑かれ、体を揺らしながら音楽を楽しんでいる自分がいるのだ。

ビジュアル的にはかわいいアイドルのほうがいいって思う人も多いかもしれない。顔面偏差値の高いイケメンのユニットや躍動感溢れるダンスやバンド演奏のミュージックビデオのほうがいいって人もいるだろう。だが、今回は陽気なおじさんたちの生み出すミュージックビデオの世界観をぜひ味わってみていただきたい。これぞ音楽の真骨頂といわんばかりに、大人たちが大真面目にふざける姿は、なんとも魅力的で超かっこいいと感じてくれる人も多いはずだ。

ちなみに今回は ”おじさん” っていうテーマなんだけど、ピックアップしたものの中にはおじさんと呼ぶのが失礼なほど若い男性もいるので、サブテーマとしてcool gentlemanにしています。失礼承知でごめんなさい。

最高にクールでリズミカルな
おしゃれおじさんたち
Zo! / We Are On The Move feat. Eric Roberson & Phonte

おじさんたちのミュージックビデオに取り憑かれるきっかけになったのが、このZo!のWe Are On The Move feat. Eric Roberson & Phonte。

 

スーツを身に纏ったおじさんたちのこのリズミカルなステップ、ハッピー感に満ちた笑顔やハイタッチが最高にたまらない。また映像のトランジションが80年代風のちょいダサ感を醸し出しててジワる。笑
おじさんたちを更にクールに演出するのが、このグルーヴィーなベースライン。思わず見てるこちら側が踊りだしたくなるような、超絶ソウルフルな一曲。
斬新なストーリーや凝った演出があるわけでもなく、ただただ4人の男性たちが風景を変えながら思うがままに、音に合わせて体を揺らしながら歩いているだけ。ただそれだけなのに、なぜにこんなにワクワクさせてくれるのか、不思議なんだけどすごくいい。

YouTubeのコメントにはさまざまな国の多くの支持者たちから「大好き!」「幸せになる」「楽しい!」などの、動画への評価が寄せられている。国や言葉、人種の違いに関わらず同じように多くの人が楽しい気分になれることをみても、音楽の素晴らしさってこういうとこだよね、と改めて認識することが出来るミュージックビデオのひとつではないだろうか。

かなりヤバめ・・・な、
イケメンおじさん
VULFPECK /  Eddie Buzzsaw (feat. Eddie Barbash)

みんな大好きVULFPECK。LAを拠点に活動する、ミニマルファンクバンド。VULFPECKのミュージックビデオは、かなりヤバめのイケメンおじさん(ご本人)が基本的に出演していることが多いよね。おじさんって呼ぶのが申し訳ないほど若いんだけどさ。笑

ミュージックビデオの多くに遊び心がつまっていて観てて面白いだけでなく、センスもよくてかっこいい。今回ピックアップしたのはEddie Buzzsaw (feat. Eddie Barbash)のミュージックビデオだが、こちらの映像に関しては背景のドッグランが個人的にジワジワくる。笑 なんとも平和。
映像制作もメンバーご本人たちでほぼやっており、特にメンバーのジャック・ストラットンはミュージシャンとしての才能だけでなく、ここまで来るともはや最強のエンターテイナーである。

 

彼らが面白いのはミュージックビデオだけではない。バンドとしてやることもかなり尖りまくっている。そのエピソードのひとつとしてツアー資金獲得のために「Sleepify」というアルバムを制作したのは有名な話。

このアルバムは、ストリーミングサービスSpotifyにて2014年にリリースされた。どこかSpotifyに対して棘を感じるアルバムタイトルだが、なんとこのアルバム、約30秒程の無音トラックのみの全10曲で構成されており「寝ている間にリピートで再生して」とファンに依頼、そのロイヤリティーとしておよそ2万ドルもの大金を獲得するという前人未到のやりかたで、成果を叩き出したという伝説のアルバム。もちろんその後、計画通り無料ツアーを執行した。

Spotifyは1曲再生ごとに入る印税が0.24円ほどみたいだし(現時点ではわからないんだけど合ってる?)いくらコツコツっつっても雀の涙すぎてとても現実的ではない。だが、この仕組みをうまく利用したナイスアイデアで思惑通りツアーを実行するあたりがまたタダモノではない。そしてトラックリストをみて頂けるとわかるが、曲名が非常にユニークである。今後も面白いことをやって我々の期待をいい意味で裏切ってくれるであろう期待のバンドだ。

ポケモン(?)になった
世界的なバンドのおじさんたち
Maroon 5 / Don’t Wanna Know

世界的大スターにおじさんって言ってごめんなさい。でも、今回は愛を込めてそう呼ばせて欲しい。笑 ポケモン(?)になったおじさんたち。なんて愛らしいのだろうか。後ろ姿がとくにシュール過ぎる。笑 そしてまさかアダムがトイレに座っている姿をみる日が来るとは・・・

 

ミュージックビデオのイメージとは逆に、曲は切ない雰囲気を感じるおしゃれエレポップ。
ポケモンかどうかは巷の噂ではあるが、スマホでキャプチャーされているあたりは、多少ポケモンGOからインスパイアされているのだろうか。

序盤の方で女性の写真を見つめアダムがため息をつく場面など、要所でラブストーリー的な展開も含んでいるかのように連想させ、謎も多いミュージックビデオになっている。この着ぐるみ姿でラブストーリーというのもまたシュール。笑 

更に面白いと感じたのは、ミュージックビデオ撮影中のカットでディレクター(?)とアダムが繰り広げる会話シーン。それには笑ってしまった。帽子をかぶせようとするディレクター(?)にアダムが拒むシーン。アダムがパブリックイメージって言ってるから「社会的なイメージと違う」的な内容だと思うんだけど、舌出してまぬけな顔した着ぐるみを着てそれ言われてもね。笑 メンバーも含め全員本当に可愛い。

マルチなエレファンクの
超新星おじさん
Louis Cole (Knower) / Weird Part of the Night

Knowerの主にドラム兼プロデューサーでありながら、ソロでも活動しているLouis Cole。ファルセット・ボイスが特徴的なマルチプレイヤー。彼独特のオリジナリティ溢れる世界観を好み、普段から聴いているファンも多いのではないだろうか。

Knowerの音楽はどれにもカテゴライズしにくい新ジャンルを確立し、日本でも支持する方が多い印象。手作り感溢れるライブセッション動画が個人的には結構毎回ツボであるが、今回はLouis ColeのWeird Part of the Nightのミュージックビデオをピックアップ。

 

真似する人が続出したこのミュージックビデオ。

こんなサルエルパンツ久しぶりに見た。こんなゴールドカラーのもの、どこで売ってんだよ!笑 そしてちゃっかりKnowerのボーカル、ジェネヴィーヴ・アルターディも後ろのほうで本気で踊ってる。たまに光るヘッドバンドも可愛い。ファッションセンスからしても尖りまくってて超クール!

Louis Coleならではのエレクトロファンクサウンドとシンプルだがインパクトのあるミュージックビデオが相まって、中毒性が非常に高い作品へと仕上がっている。とにかくLouis Coleの動きが不気味であるが、唯一無二の存在感をギラギラと醸し出し、一貫された独特の世界観をどっぷり味わえるミュージックビデオとなっている。
まだ聴いたことないって方はKnowerもかっこいいのでぜひ聴いて頂きたい。

今回は「おじさん」をテーマにピックアップしてみたんだけど、歌詞や曲名、アーティストまたはジャンルなどではないもので楽曲を聴くきっかけになる間口をもっと広げたいと、改めて考えさせられたテーマでした。

例えば今まで音楽とかあんまり聴いてこなかった人にも、すっと入っていくようなきっかけをもっと作り出せたら面白いだろうし、クリエイティブ(作品)の価値というものも今以上に認識されていくのではないかということも感じました。

音楽自体がそもそも言語化されたものではないし、モノとして存在するものでもないから、 ” なんとなく” のニュアンスを検索するのがなかなか難しかったり、検索しても出てきづらいのが音楽なんだろうと。そういった音楽の特性も意識していけたらと気が引き締まるようなテーマでお送り致しました。笑

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