初めての音楽ライブラリー(洋楽編)

めて好きになったミュージシャン、初めて買ったCD、初めてライブを観に行ったバンド…などなど、これまでなにかの節目なんかに聴いてきた音楽は、いくつになってもなんとなく思い入れのある存在ではないだろうか。

成人になり、社会人になり、そして一人暮らしなんか始めたり実家を離れたりしたら、すっかり実家の押し入れの中に追いやられてしまう思い出のCDやLP、カセットたち。もうすっかり姿を見なくなってしまったMDもあるだろう。そんな音楽を振り返り久しぶりに聴いてみると、きっと不思議な感覚になるはずだ。

今回は、私自身の「初めての◯◯音楽ライブラリー」と題して、簡略的なヒストリーに黒歴史を添えて振り返ってみたいと思う。

初めて自分で買った12cmCD
PUZZLE / Tahiti 80

「これまでに、あなたに絶大な影響を与えたアルバムは?」と、もし聞かれることがあるとしたら、この1枚を迷いなく挙げるだろう。

発売当時、中学生になった私は、両親とも音楽的嗜好が合わなくなってきていたので、新たな音楽に巡りあうために日々奮闘していた。部屋にこもって音楽を1人で楽しむ、それが楽しくて仕方なかった。その頃は当然サブスクリプションサービスなんて便利なものはなかったので、情報を得るのによく利用していたのはFMのラジオだった。特にJ-WAVE様には大変お世話になった。毎週日曜、特に楽しみにしていたのがクリスペプラーさんがナビゲーターを務める「TOKIO HOT 100」。

81.3 FM RADIO

クリス・ペプラーが送りする、毎週日曜日13:00-16:54 J-WAVE全番組のオンエア、番組最とのVOTEボタンから寄せられたリスナーズポイント、都内主要CDショップのセールデータをもとにポイントを計算。今、東京で最もヒットしている曲や、リリース前の未来のヒット曲、全部で100曲を毎週4時間に渡ってカウントダウンしていきます。

約4時間という長時間番組で、ゲストのトークも合間に入ることもあるが、ほぼぶっ通しで100曲をかけてくれるという神的な番組なのである。ウィークリーチャートなので先週と同じ曲がかかることもあるし、曲がフルでかかるわけではないんだけど、TOKIO HOT 100という番組のすごいところは、3秒程度しかかけられない曲のキュー(CUE)ポイントが絶妙なのである。そのおかげもあってか、TOKIO HOT 100にはたくさんの素敵な音楽に出会わせてもらった。

このTOKIO HOT 100にて、日本デビューと共に、デビューアルバムが発売したということでTahiti 80が紹介されたことで彼らを知ることになった。彼らはデビュー当時、フランスの4人組バンドだが、英語で歌うスタンスのバンドだと紹介されていたかと思う。(ちなみに現在は2人のメンバーが追加されたのち、1人脱退し5人組バンドとなっている)クリスペプラーさんによる、あの色気ある声での曲フリがあった後、流れてきたのがこの「Heartbeat」だった。イントロを聴いた瞬間、私の体中に電気のようなものが走る感覚というか、うまく言葉で表現しづらいのだけれど、なんだかワクワクするような感動体験だったことだけは明確に覚えている。さっそく、その日の夜に家族に近所のTSUTAYAまで連れて行ってもらい、ドキドキしながらCDを買ったのだ。

 

このアルバムを聴いて私はすっかりTahiti 80のファンになった。買ってからしばらくの間、最初から最後までぶっ通して聴き続けた。一曲目のYellow Butterflyのグザヴィエの声にもうっとり。イケボを余裕で超えてきた。惚れた。

まるで1冊の本のように、個人的にストーリー性を非常に感じるアルバムだ。一曲一曲に存在感があるからだろうか。このアルバムの虜となってしまった私は、約3ヶ月もの間1度も他のCDへ入れ替えることなく、ひたすら聴き続けた。当時の感動は不思議にも、未だに色褪せることなく鮮明に覚えている。

PUZZLE以降のアルバムであるWallpaper for the soulやFosburyなど、素晴らしい名盤を生み出し続けているTahiti 80だが、個人的に好きなのがSongs from outer spaceというミニアルバムの2曲目に収録されているBarbie Dress。

仕事で疲れ切った時などにいつも聴きたくなるんだけど、友人の誰かに借りパクされたまま行方がわからなくなって、もうここ数十年聴けていないんだけど、持ってる人誰かわかんないけど、マジで返して。笑

オンラインで初めて買ったCD
The Dropper / 
Medeski, Martin & Wood

相変わらずラジオで曲収集を欠かさない日々を送っていた。その頃はそこそこ邦楽も聴いており、大好きだったくるりやGrapevineがパーソナリティを務めていたJ-WAVEの深夜枠にやっていたOH! MY RADIOをベッドに入って、毎週欠かさず聴いていた。

さすが音楽を職業としている人の選曲というだけあって、本当に新鮮なものばかりで楽しかった。知識やジャンル、視点の幅広さに心から感動した。まだまだ知らない音楽が世の中にはたくさんあるということも改めて知りワクワクさせられた。

新しい音楽に出会えるおかげで、TSUTAYAに行きCDを買う機会も前にも増して多くなっていたが、困ったことに当時に住んでいた家の近所にあったTSUTAYAの品揃えに限界を感じてきてしまっていた。どうしても欲しいCDを手に入れるべく調べて選んだ手段は、タワレコのオンラインなるものでCDを購入するというものだった。

ど田舎者だったので、オンラインでCDを買うのはものすごく緊張した。その時購入した1枚に、Medeski,Martin & WoodThe Dropperがあった。その他はついでだったので何を買ったか覚えていないが、この頃ぐらいからタワレコのオンラインでCDを購入することがTSUTAYAに行く回数よりもずっと増えていった。

Medeski,Martin & WoodのThe Dropperに収録されているBig Timeを、くるりのラジオで岸田さんがかけていたことがきっかけで、この曲に一目惚れ(?)しアルバム購入。オルガンの音色と異国感漂うムーディーでフリーなジャズ・ファンクがとてもツボだった。ミニマムサウンドを好むようになったのもこの年齢ぐらいからだった。

 

初めて東京で観た感動のライブ
BATTLE STUDIES WORLD TOUR / 
John Mayer

当時、わたしは大阪に在住していたが、東京に住んでいた音楽関係の先輩から誕生日プレゼントとして、John Mayer日本来日公演のライブチケットを頂いた。
John Mayerもその先輩に教えてもらったアーティストで、思春期色々あった苦しい時によく聴いていた。そのこともうよく知っている先輩だったからこそ、その贈り物がすごく嬉しかった。

John Mayerを知ることになったのは「Heavier Things」というアルバムだった。このアルバムのトラック1に収録されているのが、このClarityという曲。この曲には特別な思い入れがあって、イントロを聴くと当時のことを鮮明に思い出したりもする。

そして、このClarityだけでなく、もちろん全曲本当に素晴らしいアルバム。流行り廃りなどを全く感じず、どこか繊細で優しさがあるギターサウンドにも胸が熱くなる1枚。当時、ギタリストだった先輩がこのアルバムを好きだった理由もとてもよくわかる。

 

John Mayerは若い頃からエリック・クラプトンなどの大御所ブルースギタリストとも共演を果たし、ギタリストとしての評価もとても高いギタリスト。Heavier Thingsが発売されたのは2003年なので、26歳という若さでこのような名盤を生んでいるのだから、まさに天才。

エリック・クラプトンはブルース好きの父の影響で、私自身小さい頃からよく聴く機会が多かったんだけど、幼かったこともあってか、当時の私にはブルースの良さがあまりよくわからず好まなかった。John Mayerもブルースの要素を取り入れた楽曲がたくさんあるけれど、なんの抵抗もなく自然に音楽が入ってきて浸透していく感じもすごく不思議だ。

さて、初めての海外アーティストの来日ライブ。大阪から東京へ、東京から会場へと向かう電車では、すごく緊張したのを覚えている。開演し、あちらこちらから「I love you〜!!」というような観客の黄色い声援がたくさん聞こえた。

会場が一体化する感じは、今まで観てきたライブとは少し違ってJohn Mayerがカタコトのかわいい日本語でMCをしたり、英語で何を言ってるか全くわからないコミュニケーションすらも非常に贅沢な時間だったように思う。至福のひとときとは、まさにあのことだったのかもしれない。

贈り物として「時間」をプレゼントをするという先輩の粋な計らいにも感謝の気持ちでいっぱいだったし、人生で初めて東京で観た海外アーティストのライブという、一生忘れられそうにない特別なライブだった。

初来日アーティストの待ちに待ったライブ
Jordan Rakei

普段、アーティストのライブなどには積極的に参加しようとしない人が「この人のライブは観に行ってみたい」という気持ちになることがあるとしたら、その作品そのものやアーティストの思想などが、ある一定の期待値を超えた時などがきっかけになることが多いのではないだろうか。

私自身もあまりライブに好んでいく方ではなく、音源を1人で聴いて楽しんでいるタイプの脳内パリピ人間なのだが、この歌声の素晴らしさと楽曲の世界観に惹かれ「この人のライブを観てみたい」と興味を持ったアーティストの1人であったのが、このJordan Rakei

 

音源だけでなくきっと生で聴く音やライブ感もきっと素晴らしいだろうな。どんな空気感や雰囲気で音楽を奏でるのだろう。そんな風に一方的に期待と興味を膨らませ、Jordan Rakeiの日本公演をまだかまだかと待ちわびていた。

Jordan Rakeiを知ったのは、The sound you needというYoutube動画チャンネルのコンピレーションアルバムに収録されているFKJの楽曲 “Learn To fly feat.Jordan Rakei” にてボーカルとして参加していたのがきっかけ。力強さの中にどこか繊細さのある彼の声の虜になった。

Jordan Rakeiとしての作品は2014年当時そんなに多くはなく、聴き込むことはあまりなかったのだが、その2年後、遂に新譜を引っさげてツアーがスタート。初めての日本来日公演が決まったのだ。Jordan Rakeiの新作のアルバム「Cloak」という作品は、私好みのネオソウル要素が強く、そしてどこか漂う哀愁たっぷりの曲の数々が、まさにどストライクのアルバムだった。

初来日公演は東京八重洲のCotton Club。雰囲気抜群、間違いなし。
女性1人で行くには少しハードルが高いとも思ったけれど、待ちに待ったライブを観たいという気持ちのほうがずっと勝った。初来日公演とはどんなものだろうと思ったけれど、想像の域を遥かに超える素晴らしいライブだった。演出された空間や音楽にも恍惚として聴き入り、幸福感で満たされるような気持ちになれた印象的なライブだった。

Cotton Clubでは特にアーティストと観客の距離が非常に近い。手の届きそうな距離で演奏している姿を観ることが出来るので、一体感みたいなものやLIVE感が贅沢に味わえる。これは好みの問題かもしれないが、Jordan Rakeiのライブとその雰囲気がとても相性が良く感じたし、個人的にはとても心地良かった。

私がよくやるのが、ライブ終了後は決まって近くのホテルにて宿泊。事前に予約しておき、そこでお酒を飲む。理由は余韻に浸りたいからだ。いい気分になった贅沢なライブの後、さすがに満員電車に乗って帰るという現実にすぐ戻って帰る気にはならないでしょう?笑 Jordan Rakeiのライブも同様、そのままホテルで1人ちびちびとアルコールを飲みつつ、余韻を楽しみ翌朝帰った。まさに贅沢の極み。

これまで出会ってきたたくさんの音楽の中でも、自分に”初めて”を与えてくれた音楽やアーティストというのは、文字にすることで自分のこれまでを改めて振り返るいいきっかけになったし、これまで自分を形成してきた一部であるようにも感じた。

そういえば、この記事を書いている時にたまたま気になる記事を見つけたんだけど、男性は14歳・女性は13歳のときに聴いた音楽が大人になってからの音楽的嗜好を決定する、という記事。
この記事に共感する部分が多少あったのでシェアします。みなさんにはどう感じるかな?と気になりますが、本日はここまで。

大人になってからの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽で形成されている

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていることが、新たな研究により明らかになった。 『 NY Times 』によると、リスナーの生まれた年が音楽の好みを左右しており、14歳の時に聞いた音楽が私たちの音楽の好みに最も重要な影響を与えるとのこと。 今回おこなわれた、Seth …

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