創作 // creation

可能性の宝庫!
独創的なMVの世界

楽と共に作品として発表されるMV。それから表現される様々な世界観や自由なアイデア、発想は私達に多くの刺激や感動を与えてくれる。音楽だけがメインなのではなく、すべての要素が見事にあわさることによって生み出されるシナジー効果や細部までもこだわり尽くされた作品というものに感銘を受けることが私自身もとても多いように感じる。

そこで今回は私が思う、クリエイティブなミュージックビデオにフォーカスしていこうと思う。こういうテーマだと、ミュージックビデオをみてもらってなんぼみたいなところがあるので、今回は普段やっているセレクト形式ではなく、特に面白いと思ったMVをちょこちょことつまみながら振り返ってみたいと思います。

残念ながら(?)、ややR-18?ってものは今回省いてます。笑
それではいってみよーーー!!

Golden Touch
/ 安室奈美恵

2018年9月に引退をしてしまう安室ちゃんのMVが非常にユニークなアデイアの作品なので1発目に挙げてみる。楽曲ももちろんめちゃくちゃかっこいいこの曲だが、ミュージックビデオもこだわり尽くされた作品。カンヌ国際広告祭をはじめ、数々の受賞歴を持­つクリエイティブディレクター川村真司氏率いるクリエイティブ・ラボ PARTY NYと、NYとLAを拠点とする映像プロダクションLOGANのKenji Yamashitaによる共同監督作品ということで、前々からかなり話題になっていた有名なミュージックビデオ。

こちらは※フルスクリーンを推奨されており、聞き手が非常に楽しめるエンターテイメント性の高い映像になっている。

楽曲タイト­ル「Golden Touch」の“Touch(タッチ)”をコンセプトに、実際にビデオをタッチしながら観ることで色々なタッチを疑似体験することができる疑似インタラクティヴなミュー­ジックビデオ。(YouTubeより抜粋)

YouTube再生数1,000万回を記念して作られた、安室ちゃん本人が出てくる10 Million Views New Editという、これとは別のバージョンもあるので興味がある方はぜひとも見てみてくださいな!

Sleepless / APOGEE

日本のロックバンド、APOGEE。随分と昔に音楽時代の友人から教えて貰ったことをきっかけにFantasticというアルバムに激ハマりしてしまい、活動はスローペースであるもののとても大好きなバンド。楽曲がかっこいいというだけでなく、彼らのミュージックビデオは一作品として世界からも注目浴びるほどユニークで映像技術にもこだわった近代的なものばかり。

特に、アヒルという楽曲のMVに関しては、当時日本で初となる映像技術を導入し話題となった。ロンドンのデジタル映像フェスティバルにも招待作品として選出されたのも有名な話。今回は、アヒルではなく、2018年3月にリリースされた5枚目のアルバム、Higher DeeperからSleeplessをピックアップ。今回もそのクリエイティブぶりが発揮されている刺激的な作品。

 

これは3 World in 1 shot という技術?らしく、合成を使わず水面から飛び込む光をカメラにてリアルタイムでとらえることにより「水中」「水面」「水に映る像」それぞれ3つの世界が混ざり合う様子が撮影されている。水面に映るダンサーは、水中のモニターの映像に合わせてリアルタイムで踊っているらしい。

APOGEEのミュージックビデオは、これらのみならずその他の作品でも創造性のあるMVが豊富なので、まだ、聴いたことがない方は、ぜひ音楽と同時に作品にも触れて頂きたい。

バッハの旋律を夜に聴いたせいです /
サカナクション

サカナクションのミュージックビデオにも面白い仕掛けがあるものや、クリエイティブを感じられる作品がたくさんあってなにかと話題になっているが、個人的にはこの、バッハの旋律を夜に聴いたせいですが特にかっこいいと感じているもののひとつ。

 

これまでに挙げた2作品とは逆で、こちらはアナログ・手作り感がたっぷり。それがサカナクションの近代的なサウンドと相まってとても新鮮。まさにアナログとデジタルが融合したような作品。

あたらしいたましい
feat. 金田朋子
/ □□□

□□□(クチロロ)は、日本のポップユニット。ジャンルはシティ・ポップとか実験音楽とか言われているみたい。くるりのマイラジの時から耳にはしていて、ノスタルジーな雰囲気溢れるポップユニットってイメージだったんだけど、どこかのタイミングで□□□のGOLDEN LOVEってアルバムを聴く機会があって、同名のグループがいるのかな?って最初わからなかったくらい音楽の方向性が変わりすぎてて、すんごい衝撃を受けた記憶がある。

 

モーショングラフィックを得意とする宮本拓馬、編集者の伊藤ガビン、プログラマー&デザイナーの林洋介らによる作品で、文字と言葉をテーマにしたアート作品として評価の高いMV。アスキーアートっぽい時間のかかりそうな繊細な作りに感動する映像になっている。

 I Won’t Let You Down /
OK Go

アメリカ・シカゴのインディーズバンドであるOK Go。彼らのミュージックビデオも毎回作品が公開される度に話題になることが多いように思う。その中でも特に有名なのはHere It Goes Againという楽曲。こちらのMVに関しては、ランニングマシンが使われたコミカルなダンスが話題となり、2007年度にグラミー賞を受賞している。そんな彼らのMVの中から今回、私がピックアップしたのはこちら。

 

Obsessionの斬新なアイデアのMVと非常に迷ったが、スケールのデカイこちらを今回はピックアップ。なんといっても、こちらのMVは日本のテクノポップユニットPerfumeの3人が出演していること、ホンダのUNI-CUB βに乗りマスゲーム風ダンスが感動的であることなどでも話題になった。只ならぬ緊張感と見事なシンクロダンスにて表現されるドローンを使った上空からの芸術美がハイクオリティなミュージックビデオ。まだみたことがないって方は、ぜひObsessionのMVも拝聴してみていただきい。

Trying To Be Cool /
Phoenix

フランス・ヴェルサイユ出身のインディー・ロックバンドであるPhoenixのTrying To Be Coolは映像作品としても、とてもユニークだと感じているもののひとつ。映像の中では様々なからくりや仕掛けが出現し、カメラクルーが2チームで交互にリレーをしながら映像をつないでいく一発撮りで撮影された作品。通常であればカット・編集する必要のある部分も、ハプニングシューティング手法でそのまま使われており緊張感やライブ感を楽しむことができる。

 

ボーカルのThomas Mars(トーマス・マーズ)の卓球の上手さに結構びっくりしたことと、ついでに言うと手品もうまい。笑 曲のフィナーレとなるダンスとライブのシーンはこれまた文句なしにかっこいい。曲の盛り上がりやダンスがハイな気分にさせてくれる見応え抜群のラストも見逃せない。

Wide Open Ft. Beck /
Chemical Brothers

ご存知の方も多いこちらのミュージック・ビデオ。VFX技術の会社、The MillのディレクターデュオDom&Nicと日系イギリス人の女優・モデル・バレリーナのSonoya Mizunoのダンスとのプロフェッショナルなチームによって制作された作品。映像技術が駆使されたスタイリッシュな作品だが、集合体恐怖症の方はやや苦手かもしれないので閲覧注意。The Millのサイトでも詳しく紹介されているので興味がある方はぜひ!⇢ Behind The Project: How The Mill Brought The Chemical Brothers’ ‘Wide Open’ To Life

 
 

Beckが参加しているということで更に話題を呼んだことでも有名だが、こちらが収録されているアルバムの収録楽曲はサウンドや楽器の音が非常に凝っていて抜群に評価も高い様子。個人的には良いスピーカーやヘッドフォン(ノイキャン付きだと尚良)など、ハイファイ機器で聴くと別世界へトリップしたような感覚になれる中毒性の高い作品。

The Trouble With Us /
Chet Faker, Marcus Marr

Chet Faker、そしてMarcus Marrとの共作作品であるこちらのThe Trouble With Us。Chet Fakerはオーストラリア・メルボルン出身のシンガーソングライター。ブレイクビーツ寄りの独自サウンドで日本での人気も高い。こちらはロンドンのエレクトロDJ・プロデューサーでもあるMarcus Marrとのコラボということで、聴いてみたらむちゃくちゃかっこよくてだいぶハマって聴いていた。

 

1組のメインとなる男女のストーリーが描かれている。主役となる男女1組がトリガーとなり、動きが流れるように、もしくはスローモーションを人力で表現しているのかのように次から次へと別の男女が同じしぐさをしていくという不思議な感覚にさせてくれる映像。ミスのない徹底された大人数のかつ絶妙なタイム感での演技は本当にお見事!つい見入ってしまうほど素晴らしい。

Paper Cut / OOHYO

ラストは韓国出身、現在はロンドンを拠点に活動しているシンセポップアーティスト、OOHYOの新作をご紹介したい。スイートな声が人気の彼女の魅力の一つであるが、楽曲の中毒性も非常に高い。2018年7月にリリースされたPaper CutのMVでは前作のPIZZAと同様アニメーションとなっており、今回はアニメーションで作られたシンセサイザーで楽曲が演奏される、みていて飽きないユニークで可愛らしい作品。

 

これまでのOOHYOは比較的スローテンポな楽曲が多い印象だったが、今回はミドルテンポでアシッドな要素が盛り込まれたグルーヴィーで心地の良い楽曲。エレクトロ・ポップ色が強いアレンジではあるが、別動画として上がっているPiano Live Ver.は雰囲気が異なり、OOHYOのキュートで繊細なボーカルが更に引き立つ素晴らしいアレンジ。

今回は個人的に思う、クリエイティブなミュージックビデオ作品にフォーカスしてみました。ボリューム感がすごいね。ひとつまみぐらいずつ…って思っていたんだけどむちゃくちゃ長くなってしまった。笑

楽曲だけでなくミュージック・ビデオから作品に触れ、楽曲にハマってしまったなんてことは結構あると思うので、今後も面白いミュージックビデオ作品に期待、楽しみにしながら積極的に発掘していきたいと思います。他にもこんなんあるよー!って方はTwitterからぜひ気軽に教えてくれると嬉しいです!それではまた次回!

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